『承認』についてのまとめ その①
2022/03/09
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、
ハーズバーグが唱えた「動機付け・衛生要因」は、人が満足して動機付けられる要因と、
不満足になる要因は別々の要因であるというものです。
例えば「会社の政策と経営」や「監督技術」「給与」「対人関係」「作業条件」は、
社員としてはあって当たり前だと思っている要素です。
ですから、なければ不満足が増幅する要素です。
会社の政策と経営は、経営者が会社の方向性を明確にしているか否か、
監督技術は上司・管理職がマネジメント技術を持っているか否か、
対人関係は主に上司との人間関係がうまくいっているか否か、
作業条件も快適であることは決してやる気の出る要因ではなく、
あって当たり前、なければ不満足という要因です。
特筆すべきは、給与も衛生要因だといわれていることです。
給与を上げてやる気を高めようとする施策は、思ったほどの効果が見込めません。
給与は衛生要因だからです。
一方、動機付け要因が高ければ高いほどやる気が上がるといわれています。
「達成感」「承認」「仕事そのもの」「責任」「昇進」は、人をやる気にさせる効果的な要因です。
会社としての政策やマネジメントに意図的にこういった要素を取り入れて、
組織の活性化を図る必要があります。
特に達成や承認は、日常の身近なマネジメント・シーンで活用できる要素です。
周囲から、あるいは上司から承認される、認められるということは、
とても嬉しいことで、やる気が出る要因です。
管理者はこの「動機付け・衛生要因」を理解して、効果的にマネジメントすることが重要です。
~メンタルヘルスとの関連~
ハーズバーグの「動機づけ・衛生要因」で唱えられた衛生要因(会社の政策と経営、監督技術、給与、対人関係、作業条件)は、メンタルヘルス問題を引き起こす環境要因と大きく重なり、正に安全衛生の領域であることを証明しています。
次週3月16日 『承認』についてのまとめ その② へ続く