人はディスカウントする動物
2022/05/25
無視、いじめ、偏見、暴力、殺人・・・全部根底にディスカウントが存在します。
ディスカウント、つまり値引きです。
やってはいけないことであることを、分かっているのになくならない。
人はディスカウントする動物なのです。
昔、中国に常不軽菩薩(じょうふきょうぼさつ)というお坊さんがいました。この人は行脚する中で、周りの人に「私はあなた方のことを軽んじません、あなた方のことを敬います」と言い続けて行脚したそうです。中には石を投げたり、罵声を浴びせたりする人もいました。でも「私はあなた方のことを軽く見ません、敬います」と言い続け行脚しました。
この常不軽菩薩とは、釈迦の前世だったと言われています。
お釈迦さまは紀元前約500年に生まれているので、いまから約2500年前です。お釈迦様の前世が「私は人のことを軽んじません」と改めて言い続けなければならないということは、つまり2500年以上前から人は他人をディスカウントする存在であったということです。
ところが、もう少し調べてゆくと人が他人をディスカウントしていたのは2500年や3000年前どころではなさそうです。中野信子さんの著書「人はいじめをやめられない」の冒頭に「いじめは種を残すために脳に組み込まれた機能」と書かれていました。ということはホモサピエンスまでさかのぼることになり実に20万年、30万年前から人はディスカウントしていたことになります。
そう考えると我々は相当な強い意志を持って「ディスカウントしない」と心に決めて生きてゆく必要がありそうです。
ディスカウントの対象には他人、自分、状況の3つがあるそうです。
経営者、管理職の皆さん、時々振り返り、他人をディスカウントしていないか、自分をディスカウントしていないか、状況をディスカウントしてないか、時々立ち止まることも必要な様です。気をつけましょう。