研修の大きな課題
2022/07/20
先日セミナー講師をしている知り合いから聞いた話ですが、妙に納得したのでここでご紹介します。
そのセミナー講師は、ある企業からパワハラ防止の研修をしてほしいと頼まれたそうです。
今年の4月から中小企業にもパワハラ対策が義務化されたことも契機になっているかもしれませんが、どうもその会社の管理職2名が部下に対してパワハラ気味の対応をしているとのことでした。
そこで課長職、部長職6名に参加してもらい、パワハラ防止の研修を実施しました。
始まる前に予め会社から「この2名がその該当者です」と聞いていたので、その講師は意図的(かなりあからさま)にその2人をターゲットにしてセミナーをしたそうです。
終了して研修後の様子を社長にお聞きしたところ、その2名からは「自分のことではない」「自分とは関係ない」という感想が返ってきたそうです。その話を聞いて、セミナー講師は「愕然とした」と言っていましたが、他の4名にはしっかり届いていたようで、「改めて部下との接し方について考え直そうと思った」といった感想が寄せられたそうです。
これまで私もかなり企業研修はしてきましたが、まさにこういうことであったかもしれないと考えさせられました。もちろん講師側の伝える工夫、努力を続けなればならないのは前提としてあります。
優秀な管理職はどんな研修でも気付きを得て次に活かすことができるので、さらに優秀な管理職になってゆくのだと感じました。
優秀な管理職はさらに優秀に、そうでない管理職はいつまでたってもそのまま、という現象が起きてしまいます。
講師側としてどうしたらよいかは今後の大きな検討課題です。
ただ今言えることは、以前このブログでも紹介しました、ジョハリの窓で「自分は知らないが、他人は知っている窓」があることを認識しているか否かが大きな分かれ目になるように思います。自分を客観視する目も必要になるかもしれません。
この辺りをヒントに伝え方の改善ができればと考えています。