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セクシュアルハラスメント概要②

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セクシュアルハラスメント概要②

セクシュアルハラスメント概要②

2022/08/31

先週は、セクシュアルハラスメントを未然に防ぐために知っておかなければならない「職場におけるセクシュアルハラスメントの定義」について解説し、また、どのような行為が”セクハラ”に該当するのかを紹介しました。

 

先週の記事

職場におけるセクシュアルハラスメントの定義

・「 職場 」で「 労働者 」の意に反する 「 性的な言動 」が行われること。
・また、それを拒否したり抵抗したことで、解雇や降格、減給など労働条件について不利益を受けること。
・「 性的な言動 」 により職場の環境が悪くなり、働く人が能力を十分に発揮出来ないなどの悪影響が生じること。


職場におけるセクシュアルハラスメントには、「対価型」と「環境型」があります。今週はこの類型(種類)について、さらに、厚生労働省による職場におけるセクシュアルハラスメントの「判断基準」を紹介します。

 

「対価型セクシュアルハラスメント」とは

労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応(拒否や抵抗)により、その労働者が解雇、降格、減給、労働契約の更新拒否、昇進 ・ 昇格の対象からの除外、客観的に見て不利益な配置転換などの不利益を受けることです 。

 

●典型的な例


・事務所内で事業主が労働者に対して性的な関係を要求したが、拒否されたため、その労働者を解雇。


・出張中の車中で上司が労働者の腰、胸などに触ったが、抵抗されたためその労働者について不利益な配置転換をする。


・営業所内において事業主が日頃から労働者に係る性的な事柄について公然と発言していたが、抗議されたため、その労働者を降格する。

 

「環境型セクシュアルハラスメント」とは

労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じるなどその労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることです 。

 

●典型的な例

・事務所内で上司が労働者の腰、胸などに度々触ったため、その労働者が苦痛に感じてその就業意欲が低下していること 。


・同僚が取引先において労働者に係る性的な内容の情報を意図的・継続的に流したため、その労働者が苦痛に感じて仕事が手につかないこと 。


・労働者が抗議をしているにもかかわらず、同僚が業務に使用するパソコンでアダルトサイトを閲覧しているため、それを見た労働者が苦痛に感じて業務に専念できないこと 。

 

判断基準
職場におけるセクシュアルハラスメントの状況は多様であり、判断に当たっては個別の状況をよくみてみる必要があります 。 また、「 労働者の意に反する性的な言動 」 や 「 就業環境を害される 」 の判断については、労働者の主観を重視しつつも、事業主の防止のための措置義務の対象となることを考えると一定の客観性も必要です 。
一般的には意に反する身体的接触によって強い精神的苦痛を被る場合には、一回でも就業環境を害することとなり得ます 。 継続性 又は 繰り返しが要件となるものであっても、「 明確に抗議しているにもかかわらず放置された状態 」 又は 「 心身に重大な影響を受けていることが明らかな場合 」 には、就業環境が害されていると判断し得るものです 。 また、男女の認識の違いにより生じている面があることを考慮すると、被害を受けた労働者が女性である場合には 「 平均的な女性労働者の感じ方 」 を基準とし、被害を受けた労働者が男性である場合には 「 平均的な男性労働者の感じ方 」 を基準とすることが適当です 。


【補足】
自社の労働者等が他社の労働者にセクシュアルハラスメントを行った場合の協力対応

〔 均等法第11条第3項 〕

セクシュアルハラスメントの行為者となるのは、被害者と同じ事業所に勤めている人とは限りません 。 他社の労働者から自社の労働者がセクシュアルハラスメントを受けた場合にも、事業主は雇用管理上の措置として、適切に相談に対応する必要があります 。 また、自社の労働者が他社の労働者にセクシュアルハラスメントを行う場合もあり得ます 。
このため、他社から、自社の労働者の他社の労働者に対するセクシュアルハラスメントの事実確認や再発防止といった他社の雇用管理上の措置の実施に関して必要な協力を求められた場合に、事業主はこれに応じるよう努めることとされました 。

さらに、この規定の趣旨に鑑みれば、事業主が、他の事業主から雇用管理上の措置への協力を求められたことを理由として 当該事業主に対し、当該事業主との契約を解除する等の不利益な取扱いを行うことは望ましくないことは当然です 。

 

次週は、職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントについて解説していきます。


なお、職場におけるハラスメント(パワーハラスメントやセクシュアルハラスメント、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント)防止のための具体的な対策や措置については、ハラスメントシリーズの最終回で詳しく紹介する予定です。
 

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