学ぶ意味合いとは②(3回シリーズ)~「安岡正篤 心に残る言葉(致知出版社CD)」より~
2022/06/22
「安岡正篤<注> 心に残る言葉」(致知出版社CD)を聴いて自分なりにまとめたものを、3回に渡りお伝えしていきます。今回は2回目です。
なぜ学びが必要か?
②気質を変えるため
初めから完成された人などいませんから、自分を高めてゆく、そのために学ぶ---。
では、どう高めるか?
人に良い影響を与えるため、世のため人のためになるには、人が集まってくる人物にならなければいけない。いつもイライラ、カッカしていたら人は集まってこない。なので情報も集まりません。
だから、
・松下幸之助さんは「相手に安心を与えなさい。相手に安心を与えることは、君の信頼を築くことだ。周りに安心を与えられる人になりなさい。」と言っていたそうです。
そして、中国の古典「書経」に自靖自献(じせいじけん)という言葉があります。
・自靖自献 ー自らを靖んじ、自ら献ずる。
自ら靖んずるとは、心の平和を保つこと、安心立命することである。
自ら献ずるとは、世のため人のために自らを尽くすことである。
自らを靖じることができる人になる、そしてそんな自分を周囲に献上する、そんな自分になるために学ぶということだそうです。
自靖自献に似ている言葉があります。
100歳まで現役で、今は亡くなりましたが、臨済宗のお坊さんで松原泰道さんという高僧がいました。
この松原泰道さんが、こんな質問を受けました。
仏教の神髄は何ですか?
即座に返ってきた答えが、「上求菩提、下化衆生」だったそうです。
この「上求菩提、下化衆生」とは、自分の理想を求めて、そして周囲を教化する・導く、という意味だそうです。
自分が理想としたものを努力して追い求め、その成果を周囲の役に立つために活用する、といことですね。中国の古典も仏教も、言わんとしていることは同じなのかもしれません。
<注>安岡正篤 やすおか まさひろ (1898-1983)…日本の易学者、哲学者、思想家。東京帝国大学法学部政治学科卒業。1927年(財)金鶏学院、1931年日本農士学校を設立、東洋思想の研究と後進の育成に力を注ぎ、戦後は政財界のリーダーの啓発・教化に努めた。佐藤栄作首相、中曽根康弘首相ら、昭和歴代首相の指南役となり、さらには三菱グループ、東京電力、住友グループ、近鉄グループ等々、昭和を代表する多くの財界人に師と仰がれた。