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中小企業のSDGsへの取り組み方③ 具体的な5つのステップ

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中小企業のSDGsへの取り組み方③ 具体的な5つのステップ

中小企業のSDGsへの取り組み方③ 具体的な5つのステップ

2022/11/09

前回までの解説をふまえ、会社としてどのようにSDGsに取り組んでいけばいいのか、「SDGコンパス」に沿って解説していきます。

 

SDGコンパスとは、GRI(グローバル・レポーティング・イニシアティブ)、UNGC(国連グローバル・コンパクト)、WBCSD(持続可能な発展のための世界経済人会議)の3団体が共同で作成した、SDGsに関する行動指針のことです。

 

ここには、企業がSDGsに取り組むためのサポートとして、次の5ステップが用意されています。

 

ステップ1.SDGsを理解する
ステップ2.優先課題を決定する
ステップ3.目標を設定する
ステップ4.経営へ統合する
ステップ5.報告とコミュニケーションを行う

 

ステップに沿って、それぞれ具体的に解説していきます。

 


ステップ1「SDGsを理解する」

 

まずは、企業として、全従業員のSDGsの理解度を高めるための取り組みを行いましょう。


現状の意識調査などから初めてもよいかもしれません。年齢や世代によって理解度や意識が異なるでしょうから、その溝を埋めるために必要なセミナーや研修、SDGsに関する資料や動画などを紹介するのもよいでしょう。

 

SDGsで設定されている17のゴールとはどんなものか?さらに169のターゲットの内容はどのようなものか・・・これから何ができるか、できそうかなど、まずは大まかな部分を抑えていくことからはじめます。

 

 

ステップ2「優先課題を決定する」

 

続いて優先課題の決定です。


ここでは、自社の事業での取り組みが、SDGsへの貢献になっていなかを探してみます。

 

自社で提供する製品やサービスなどが直にSDGsへの貢献になっている場合もありますし、直接的な貢献だけではなく、本業を推進するために取り組んだ「経営改善」への取り組みに表れているかもしれません。実際、それらの方が、中小企業の営みのなかでは多いのではないでしょうか。

 

また、本業以外で取り組んでいること、例えば事務用品は環境配慮型のものを購入するようにしているとか、女性が働きやすい環境や制度を取り入れているなどもSDGsへの貢献になります。

 

自社の取り組みがSDGsのどの項目に関連するか、該当するかを整理してみましょう。

 

そのうえで、SDGsのどのゴール、ターゲットに貢献できるか、しているかを探し、自社の取り組むことを整理します。その中から、取り組みを実施しやすく貢献度が高い課題を「優先度が高い課題」として設定しましょう。

 

 

ステップ3「目標を設定する」

 

優先的に取り組む課題が決まったら、目標の設定を行います。

 

これは会社の「売上目標」の数字などと一緒です。せっかく、優先課題をピックアップしたからには、具体的に行動・実行に移すための具体的な目標が必要です。

 

その際には世界的な視野を持つことが大切です。

 

世界が求めている達成度と自社の現状の達成度とを比較して、できるだけそのギャップを埋めていく努力を行うことが新しい「技術」「製品」「サービス」「価値」などを創出することにつながりますし、そういう取り組みを行う企業が選ばれて残っていく流れであることは前回までに解説したとおりです。

 

 

ステップ4「経営へ統合する」

 

経営へ統合するとは、実際に事業にあてはめて行動を開始するということです。


行動を開始する=事業として行っていくには、トップの強いリーダーシップが重要です。


社長自らの強い意志の表明と行動のもと、目標設定のみならず、評価、報酬制度にまで取り込んで、社員に「当事者意識」をもつよう徹底している企業もありますが、まずは、社内の研修や、ホームページへのSDGsへの取り組みの掲載のほか、SDGsロゴバッジを社員全員でつけたり、目に見えるツールの整備を行ったりすることで意識を熟成させることからはじめましょう。

 

SDGs経営を進めるためにはトップ、経営層が積極的に取組み、従業員に発信し続け、理解を得るということが必要です。

 

なぜ取り組むのか、なぜこの目標をかかげたのか、社会へどのような良い変化をもたらすのか、全従業員が自分のこととして取り組めるように、トップがストーリーを発信し続け浸透させます。

 

 

ステップ5「報告とコミュニケーションを行う」

 

最終ステップは、報告とコミュニケーションです。

 

上場企業であれば、きっちりした統合報告書やサステナブルレポートなどを作成し、投資家・株主をはじめ、様々なステークホルダーに情報公開します。中小企業においては、上場企業のような開示義務的な報告とコミュニケーションではなく、様々な機会獲得のための企業PRとして報告とコミュニケーションを活用しましょう。

 

営業部門であれば、顧客や新規営業先とのコミュニケーションでSDGsの取り組みについて話題にすることで、連携できることがないかという視点でやりとりできる可能性が出てきます。また、人事・採用面でも他社との差別化につながります。

 

SDGsの取り組みは、企業のブランディングや、従業員のモチベーションを高めることにつながります。


 

以上が「SDGコンパス」に沿った、5つのステップでした。

次回は、実際にSDGsに取り組んでいる企業の事例や失敗しないためのポイントをご紹介します。

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