中小企業のSDGsへの取り組み方【補足①】
2022/11/16
企業を経営をする上で、経営者は「組織の活性化」については常に念頭にあると思います。特に若い世代をどう動かしていくか、という点で悩まれる経営者は多いのではないでしょうか。
若い世代や社歴の浅い社員は、どうしても事業全体が見えにくく、また、事業と社会とのかかわりあいも見えにくいものです。そこでSDGsを活用し、自分たちの事業がどのようにSDGsに貢献しているかを整理することができれば、与えられた業務と社会との接点が見えてきて、働きがいやモチベーションの向上につなげられる可能性があります。
今回は、④回目の「失敗しないためのポイント」をお伝えする前に、前回の5つのステップを有効に進めるためのポイントを補足として紹介します。
1. 5ステップを進めるために
すでにSDGsを実践している企業では、社内での勉強会や研修を通して、SDGsの理解をはかりつつ、自分たちの事業がどのように貢献しているかについて整理するところから取り組みを始めるケースが多いようです。その結果を、ホームページや広報冊子にまとめ、配布することで、企業の取り組みや姿勢を社内外に理解してもらいやすくなりますし、PRになります。さらに、長期的な目標を策定できれば、進むべき方向性を共有することができます。
そのためには、まずトップがメッセージを発信することが大切です。社内報などの広報誌に記事を掲載したり、外部のメディアに取材を依頼したりすることも実践のステップとして有効です。SDGs経営を進めるためにはトップ、経営層が積極的に取組み、従業員に発信し続け、「全員参加」の雰囲気を創生し、理解を得るということが必要です。
2. 新たな価値の創出
SDGs活用のポイントの理解を通して、世界が直面している社会課題に対して、自社の経営資源からどのような貢献ができるかを考えることは、社会課題解決型の新たな事業や、商品、サービスが生まれるきっかけになります。
この社会課題解決に、むしろ取り組みやすいのは中小企業ともいえます。中小企業は、現場に密着して直面している問題を把握して、その解決のためにどのような手段があるのかを常に考えて取り組むことができる機動力を持っているからです。
さらに中小企業は、自社単独の取り組みだけではなく、連携・パートナーシップによって、大きな社会課題の解決のために新たな価値を提供できる仕組み、新事業を検討することもできやすいといえます。大手企業であれば自前ですべてそろってしまうかもしれませんが、中小企業は、得意領域の異なる複数の企業が集まって、新事業を展開できる可能性が大きいのです。
経営課題別のSDGs実践について
事業のなかでの「経営改善」にSDGsの貢献の取り組みがあるということで、どの中小企業にも共通項として関係する代表的な経営課題6つ「①経営戦略」「②生産・サービス管理」「③人事・労務」「④新技術・新製品・新サービス開発」「⑤新市場開拓」「⑥事業承継」について、それぞれの経営課題がどのようなものか、SDGsの視点を導入するポイントとは?といったことについて次回お伝えします。
そして自社でSDGsに取り組む優先課題の抽出や決定に役立ててください。